NICUはよく聞くと思いますが、GCUって??って思う方は多くいると思います。
私は新卒でGCUに配属されました。はっきり言ってGCUがどういうところなのか全く分からずにいました。
学生の時に窓の外からの見学実習をした事だけは覚えているけど、、、
っという状態で働き始めました。
『コウノトリ』というドラマでNICUが取り上げられていたため、新生児治療というところがどのような場所なのかというのが世の中に少しでも伝わったのかなと思うようなドラマでした。
GCUについて私のわかる範囲で、実体験を元に書いていきたいと思います。
GCUとは
GCU:Growing Care Unit
新生児回復室の事を指します。
どんな子が入院しているの?
- NICUで治療を終えて状態が安定した子
- 先天性疾患で精密検査が必要な子
- 重度の障害があり長期入院が必要な子
- 状態が安定している低出生体重児
NICUとの違いは状態が安定しているというのが前提な所が多いと思います。
主に退院に向けた支援を中心に、家族ケアが関わってきます。
新生児仮死や先天性疾患による長期入院が見込まれる子というのも多かったです。
どのような看護をしているの?
主に回復期の患者さん、長期療養が必要な患者さんが入院しています。
看護の内容としてはNICUとすごく変わるわけではありませんが、特徴として違う部分を私の経験を基に書きたいと思います。
NICUの看護も参考にしてみてください。
主な仕事内容は
- 赤ちゃんの全身管理・観察
- 医療的ケア
- 日常ケア(清拭、授乳など)
- 家族へのケア
- 医師の診察補助
- 検査の介助
詳しく紹介していきたいと思います。
全身管理・観察 医療的ケア
状態が安定しているとは言え、赤ちゃんであり自分で訴えることができないため、看護師が状態の変化を少しでも分かってあげることが大事です。
GCUでも長期療養が必要な子は人工呼吸器がついていることも珍しくありません。
急性期を脱しているとはいえ医療処置や専門的な看護も多数あります。
緊張感はNICUよりは少し穏やかな気持ちで看護に取り組めるかと思います。
少しの変化を見極める看護力が大事です
日常ケア
清潔ケアとして沐浴を行っています。感染症があったり、状態が変わりやすい子の場合は清拭を行います。
授乳は哺乳瓶で飲む子もいれば、新生児仮死や先天性の疾患にて経管栄養が必要な子もいます。その子に合わせた栄養方法をで食事をしています。
たまに、長期になっている子では離乳食を与え始める場合もあります。
様々な疾患の子がおり、長期になる子も多く成長に合わせた日常のケアが必要になってきます。
成長を妨げないケアが必要
家族へのケア
GCUは退院支援を行う事を主としていることが多く、育児指導という家族支援が必要になってきます。
特に入院期間が長くなっていることで親子分離が長いことで愛着形成の部分でもうまくいかないことが出てくることが多く、精神的なサポートも必要になります。
その子の状態に応じて退院後も呼吸器が必要だったり、経管栄養が必要だったり、様々な医療ケア指導が必要な事も多いです。
家族構成や住環境も考えてその子と家族がうまく退院後の生活が過ごせるようにケアを行っていきます。
退院後の生活を見据えて家族ケアができるように
医師の診察補助 検査介助
これはNICUとほぼ変わりありません。
GCUの患者さんの場合は検査室へ出向くことができるようになる子が多いため、MRIやCTを取りに行くこともあります。
検査中は入眠していないとうまく画像を取ることができないため、授乳の時間を調整し睡眠を促すケアが必要になったりします。
ストレスを与えない様に介助しましょう
GCUで仕事をした印象
GCUでは色々な疾患をもった赤ちゃんにであいました。
新卒で就職し分からに事だらけだったけど、とても学びのおおい場所でした。
たくさんの赤ちゃんと出会い、別れも経験しました。
経験したことを少しお話したいと思います。
印象に残ってる子
染色体異常、心疾患、口唇口蓋裂、気管軟化症など色々な疾患をもって生まれた女の子。
入院中も状態がよくなったり悪くなったりの繰り返し。
でも家に連れて帰って兄弟と一緒に過ごしてほしいと思っていたご両親。
何とか落ち着いた時を見計らい退院することができました。
しかし1週間くらいで入院し、お空に帰っていきました。
入院中もみんなに愛され笑顔もかわいかった子。両親もすごく愛情を注いでいました。
私は退院前に自宅の環境がどうなのか家屋調査にも同行させていただきました。なのでとても思い出深かった。
元々短命であると分かっていたからこそ、何がしてあげれるだろうか、家族とどうやったら過ごす時間が取れるのだろうか、みんなで考えました。
お家では短い間だったけど一緒に過ごすことができよかったと思っています。
ご両親も連れて帰ったことは後悔しておらず、一緒に過ごせたことがよかったと言ってありました。
里帰り出産をしたお母さん。生まれてきた子は染色体異常あり、重度の心疾患がありました。
毎日面会に来ており、とても愛情を感じました。
ただ里帰り出産だったため、お父さんはなかなか来ることができずにいました。
百日祝いも病院で行ったりはすることができました。
一時期は安定していためお家に帰る準備もしていたが、徐々に状態悪化。
最後の時はお父さんも間に合うことができ、両親に見守られてお空に帰りました。
今でも百日祝いの写真を私は持っています。
物静かだけどいいお母さんで、みんなでお祝いができてことはとても良かったと思います。
プラダーウイリー症候群の女の子
最初は哺乳不良、筋緊張低下で何が原因なのかわからない状態で看護をしていました。
なかなか授乳がうまくいかなかったり、お母さんも苦戦する日々でした。
体重も中々伸びずにいたけれど徐々にコツも掴めていき無事に退院することができました。
割と長期間入院していたこともあり、その後が気になっていましたが、退院後半年くらいたった時に外来でばったり会いました。
あんなに細々しかった赤ちゃんが大きくなって、表情も豊かになってました。
そしてお母さんも第二子妊娠中でおめでたいことにうれしくなりました。
担当看護師だったこともありとても思い入れのあった子でした。
外来で成長が見れることはとてもうれしいことでした。
経験して思ったこと
同じ疾患でも、経過の辿り方はその子それぞれです。
染色体異常があっても、長く何もなく生きている子もいれば、合併症がたくさんあり短命な子もいます。
また、家族もそれぞれの捉え方があるので精神的に病んでしまう家族もいれば、きちんと受け入れて前向きに進める家族もいます。
これは新生児に関わったからこそ、家族のケアの大切さ、命の重みを考えさせてくれた事かなと思います。
妊娠して順調に育って元気に生まれてくるのが当たり前って思っていた自分がいました。
けれど実際はこんなにたくさんの子が病気と向き合っているんだと驚いたのと同時に、赤ちゃんの病気の種類ってこんなにもたくさんあるんだっととても勉強になりました。
最後に
GCUは就職して初めて足を踏み入れることも多くわからないことだらけの職場です。
新しいことを学びたい人や、新生児について知りたい方にはおすすめの場所だと思います。
ただしGCUといっても病院の規模により様々だと思います。
働きたいと思っている方は病院についてしっかり調べていくことをおススメします。
悲しい別れも多く経験しましてが、成長する喜びもたくさん経験できました。