私は新卒でGCUに配属されました。はっきり言ってGCUがどういうところなのか全く分からずにいました。
学生の時に窓の外からの見学実習をした事だけは覚えているけど、、、
っという状態で働き始めました。
『コウノトリ』というドラマでNICUが取り上げられていたため、新生児治療というところがどのような場所なのかというのが世の中に少しでも伝わったのかなと思うようなドラマでした。
あまり知られていないNICU、GCUについて私のわかる範囲で、実体験を元に書いていきたいと思います。
NICUとは
NICU:Neonatal Intensive Care Unit
新生児集中治療室の事を指します。
どんな子が入院しているの?
- 低出生体重児
- 早産
- 先天性の疾患を持っている
ざっくりいうとこのような感じです。
NICUの規模によって対象の疾患は変わってきます。
私が最初に勤めていた職場は何でも受け入れるような大きな病院でした。
500g未満の赤ちゃん、先天性心疾患、水頭症、新生児仮死、消化器疾患などたくさんの赤ちゃんがいました。
2つ目の職場は小規模の病院でした。
主に低出生体重児、早産(32週以上)のみで合併疾患がある場合は大きな病院に送っていました。
NICUと言っても病院によって入院している赤ちゃんの疾患は様々です。
もしも、働きたいと思うことがあるならば、どのような疾患の入院患者さんがいるのか調べておくといいかもしれません。
どのような看護をしているの?
急性期の患者さんが入院しています。
基本的に、何の疾患で入院しているのかで看護の領域も変わってきます。
主な仕事内容は
- 赤ちゃんの全身管理・観察
- 医療的ケア
- 日常ケア(清拭、授乳など)
- 家族へのケア
- 医師の診察補助
- 検査の介助
詳しく紹介していきたいと思います。
全身管理・観察 医療的ケア
感染予防のためや、体温調整がうまくできない子が多く保育器に入っている子がほとんどです。
人工呼吸器管理をしていたり、モニターが繋がっていたり、点滴や経管栄養などのチューブがたくさん繋がっていたりします。
赤ちゃんは意思表示が難しく、看護師が少しの変化をとらえることが大事になります。
泣くことで訴えることができればいいのだけど、泣くことさえできない子もいます。
少しの変化も見極める観察力が大事になります
日常ケア
清潔ケア、授乳、ポジショニング、排泄介助などどの赤ちゃんにも必要な日常ケアです。
赤ちゃんの身体をガーゼで拭いたり、落ち着いている赤ちゃんには沐浴を行ったりします。
授乳は哺乳瓶で与えるより、経管栄養をしている子がほとんどです。ミルクを飲むだけで呼吸がうまくできなくなったり、嘔吐したりと細心の注意が必要です。
ポジショニングは、おなかの中にいるような環境を整えてあげることが重要になってきます。
お母さん代わりのケアを行い、赤ちゃんの負担にならないように細心の注意を
家族ケア
赤ちゃんが入院になり不安な家族が多いです。
赤ちゃんと離れることで、愛着がなくなる家族も少なくありません。
愛着形成を促すケアが大事になっており、少しでも赤ちゃんと触れ合えるような機会を作ることが大事です。
落ち着いている赤ちゃんは人工呼吸器をつけていても抱っこできる環境(カンガルーケア)を作るなど家族のケアは必要なところです。
家族の思いを聞いて寄り添うケアを行い、愛着形成が促せるようなケアを
医師の診察補助 検査介助
採血や点滴の確保は医師が行いますが、その介助を行ったり、レントゲン撮影の時に身体を整えたり、検査・処置などの介助も多くあります。
少しの刺激で状態が悪くなる子もいます。
検査・処置での赤ちゃんの苦痛が少しでも軽減できるようにすることが大事です。
看護師の細やかなケアが赤ちゃんを守ります
看護師の一日の流れ
病院によっても一日の流れは違うと思いますので、参考までに
8:30 申し送り
9:00 清潔ケア・バイタルサイン測定
処置や点滴介助 検査介助
10:00 授乳
11:30 休憩(交代で1時間)
13:00 授乳
バイタルサイン測定 検査介助
家族ケア
16:30 申し送り
ざっくり日勤はこのような感じになります。
処置の量や点滴の量、検査介助などでこの通りにはいきません。
夜勤は基本的に3時間おきの授乳、バイタルサイン測定・点滴管理となります。
赤ちゃんはいつ生まれるか分からない、生まれてから何か異常があった、生まれて数日経って異常が出てくることもあり入院も突然来ます。
仕事中はかなり気が張り詰めているけれど、仕事終わりの達成感?みたいなものはありました。
家族への成長記録を作ってあげることも一つの仕事でした。毎日の体重の変化だったり、初めての沐浴など写真を撮って、メッセージ書いて渡すことも行っていました。
NICUで仕事した印象
NICUは赤ちゃんの成長が見れるとても素晴らしい場所です。
しかし、一方ではなくなっていく子もいるのが現状です。
私がNICUで働いての経験を少しだけお話ししようと思います
働いてよかった事
小さく生まれた赤ちゃんが大きくなり、元気に退院していくのが見れたことが一番良かったと思うところです。
入院当初は不安があふれて泣いてばかりのお母さんとたくさん話して、受け入れることができ、一緒に成長を楽しめていけたこともよかったと思います。
対象が赤ちゃんであるけれど、様々な疾患について勉強ができたこともよかったです。
赤ちゃんとの死別が悲しい
重症の疾患だったり、染色体異常だったりと、長く生きれない赤ちゃんもたくさん見てきました。
たくさんのお別れを経験しました。
GCUでの経験が多いのでまた後日GCU編で綴りたいと思います。
参考
私が一番印象的だったのは、生後3日目で開業医から救急車で運ばれてきた新生児。私の働いている職場に来た時にはもう呼吸もしていなく様々な手を施したが亡くなった子がいました。
両親は受け入れきれなくずっと泣き叫んでいました。自分が同じ立場になると、何で?どうして?ときっと受け入れられないと思います。
向いてる人・向いていない人
どこの診療科でも向き、不向きはあると思います。
心に余裕がある人、赤ちゃんが好きな人、細かいことができる人、観察力がある人などが向いているのかなと思います。
シビアなことも多く精神的にダメージを受ける部分の多いので精神的な強さは必要かと思います。
会話が好きな人、赤ちゃんが嫌いな人、急性期が苦手な人などには不向きかと思います。
赤ちゃんはコミュニケーションが図れないのでとても観察力が必要になってきます。
意外と働いてみたらやりがいを感じたり、新しい発見になる事も多いかもしれません。
実際仕事をしてみないと向き不向きは分からないことも多いかと思いますので、少しでも興味がある方は一度手を伸ばしてみるのもいいと思います。
最後に
NICUは学生時代も足を踏み入れることが少なく、就職してから知ることができる職場だと思います。
何もかも新しいところで働きたい人や、新生児に少しでも興味がある方は一度働いてみるのもいい経験になると思います。
正し、NICUと言っても規模は様々です。
もし就職されるときは、行きたい病院のNICUの病床数だったり、受け入れている疾患などきちんと調べていくことをおススメします。
また、転職を考えている方は教育体制が整った病院を選ぶことは重要と思います。